ありすの時同様、亡くなったあと、開胸にも立ち会った。
ありすの時とは違って、ひめの胸の中は、とてもとても苦しんだ色だった。
『病理検査結果』
・検査部位
肺:誤嚥性肺炎、気管支肺炎、肺うっ血水腫
縦隔:嚢胞の疑い
【所見】
肺:気管支内及び周囲肺に高度な好中球浸潤を認めます(気管支肺炎)。
また、肺では高度のうっ血、肺胞内への血漿、赤血球の漏出(うっ血、水腫)が
認められ、異物巨細胞を伴う炎症細胞浸潤も見られます。
縦隔:明らかな腫瘍は認めませんが、大小の嚢胞様構造を認めます。
大きな嚢胞では、内腔に壊死物質及び好中球浸潤が高度です。
(コメント)
肺は気管支炎と誤嚥による肺炎が認められ、高度のうっ血、水腫が見られます。
縦隔と思われる部分に腫瘍はなく、嚢胞があり、壊死物質、好中球が見られます。
嚢胞の起源はわかりません。縦隔の部分は3標本のうち1つにのみ認められます。
適切な部位の標本でないのかもしれませんが、
この標本では腫瘍はないと思います。
・検査部位
心臓:急性心膜炎
【所見】
心筋自体には、梗塞や炎症は認めません。
心膜下脂肪組織に好中球の軽度浸潤を認めます。
心膜炎(経度)を認めます。
(コメント)
軽度の心膜炎を認めますが、心筋の病変は見られませんでした。
死因は「誤嚥性肺炎」でした。
のちに、ムスティ診察時にK先生に解説してもらいました。
ひめの経過をずっと担当してきたわけではないが、
過去のレントゲン画像なども見てもらった。
それを見る限り、「胸腺腫」という診断は妥当と。
炎症性の腫れものや、他の可能性は否めませんが。
結局、当初の教科書通りの処方でステロイドを使用し続けたことにより、
また、副作用による食欲低下が著しく、適正にステロイドを減量できなかった、
よって、免疫力が著しく低下し、誤嚥性肺炎を起こすに至った、という下りかと。
2012年6月11日撮影
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